全体主義について考える2
こんにちは。
ブログ投稿2本目ということで、1本目に続き全体主義について述べていこうと思います。
の投稿もぜひご覧になっていただけると幸いです。
前回の投稿では全体主義の起源について触れました。
ナチスが利用した「反ユダヤ主義」というイデオロギーは、結果的に当時ドイツにおける政権の求心力を高めました。
人々は困難な状況下で本能的に「安直な安心材料やイデオロギー」を欲し、そこで使われた異分子排除のメカニズムは悲惨な結末を生むこととなりました。
ではこのナチスにおける「全体主義」は、
異分子排除のメカニズムだけが要因だったのか?
本日のテーマはその別要因「ナチスが利用した世界観」を取り上げたいと思います。
大衆を空想世界へ
第一次大戦敗戦後のドイツでは、その失われた領土や伝統を取り戻そうと国内に伝統的な「ドイツ」および「北欧」の価値観を呼び戻し、ユダヤ系の「外国」文化の影響を制限・排除する試みがなされました。
敗戦後の暗い国内状況を打破するため、国民へ新たな道筋を示そうとナチスが行ったことがユダヤ人排斥、そしてその手段として世界観を用いたのです。
そもそもユダヤ人はヨーロッパにおいて独特のライフスタイルを営んでいました。
特に有名なのがヴェニスの商人で、作中で登場したユダヤ人はキリスト教徒にはできない「汚れ仕事」として金貸し業を営んでいました。
(キリスト教において金融業に従事するのは罪悪視されていた)
ユダヤ人で金融業を営み成功を収めた一家として有名なのがロスチャイルド家があります。
それらユダヤ人が国内で金融を牛耳りドイツを蝕んでいるという、いわば作り話をナチスは流すことにします。
当時はユダヤ系資本が力を持っており、経済的に苦しい暮らしを強いられていたドイツ人たちには説得力のあるシナリオでした。
この作り話はユダヤ人迫害の勢いを一層強め、
なかにはよくYouTubeで見かけることも多い、ユダヤ人による世界征服陰謀説へと発展していきました。
これがナチスによる、大衆の空想世界への誘導の全貌です。
知らぬ間にとらわれていないか
私たちもこんな感じの経験あるのではないでしょうか?
特にこの都合のいい「世界観」は、大衆がパニックになったり社会情勢が不安定なときに流れやすいものです。
(それが意図的なもであれ、そうでないにしても)
ここ最近だとコロナウイルス感染拡大によって、
ワクチンに関する陰謀論や政府が国民に不利益な政策をしようとしているなどの話題が上がったりしていました。
これらの「世界観」はとてもよくできていて、
何も知らない一般人がそのストーリーを聞くと引き込まれやすく、自分や社会が不安な状況にあることの原因を単純明快な答えで納得させようとしてきます。
しかし皆さんご存じの通り、世界はそんなに単純ではなくもっともっと複雑なものです。
都合のいい解釈やストーリーに惑わされないよう、有事の際にこそ感覚的な判断ではなく理性的な判断が求められているのではないでしょうか。
「自分がわかっていると思い込むこと」が最も危険ですので、
日々考え続ける生活を目指していきたいですね。
当ブログに足を運んでいただきありがとうございました。
次回で全体主義に関するテーマは最後にしたいと思います。
ぜひコメントや意見などお寄せください!
本日の記事の参考文献です
第三帝国の文化: ナチスの世界観の普及 | ホロコースト百科事典 (ushmm.org)
ラルフローレンもロスチャイルドもユダヤ人。成功する民族のお金の哲学とは | ZUU online